FX取引を始めた方、さらには海外FX業者を選択した人の多くはこのレバレッジに惹かれて始められたのではないでしょうか。
FX取引をしているトレーダーのでレバレッジは一切かけずにやっています、という方はいないと思います。
初心者のトレーダーの方の多くはなんとなく少ない資金で大儲けできる可能性があるという情報だけで始められているかもしれません。
そのような理解でFX取引をしてしまうと、レバレッジ取引をまるで競馬の倍率のような感覚で捉えてしまいがちです。
FX取引のレバレッジというシステムは、非常に魅力的である反面とても恐ろしいものになることもあります。
資金を全額失うだけでなく、場合によっては取り返しのつかないような損失と借金を背負うことになりかねません。
しかしそのようなことにはきちんとレバレッジに関する知識があれば実際にはまず陥ることはないでしょう。
あなたの大切な資金を守り、FX取引においてレバレッジというシステムをきちんと理解して最大限に利益につなげていくためにしっかりと学んでいきましょう。
FXにおけるレバレッジとは
投資や投機の世界で使われるレバレッジという言葉ですが、FX取引におけるレバレッジとはどのような意味を持ち、どのようなメリットとデメリットがあるのかなどをきちんと把握しておく必要があります。
FXにおけるレバレッジとは一体どういうことを指し示しているのかしっかりと理解を深めていきましょう。
レバレッジの意味
レバレッジという言葉の意味から理解してみましょう。
普段はFXの取引以外ではあまり聞くことのない言葉かもしれません。
レバレッジはレバー(てこ)という言葉を語源としていて、てこの原理という意味です。

ドアのレバーとかと同じね
つまり小さな力で大きなものを動かすことができる原理のことです。
これをFXに置き換えてみると少ない資金で大きな資金運用ができるという意味になります。



FXと聞いてほとんどの方がこのレバレッジ取引を思い浮かべると思います。
レバレッジ取引が可能な理由
ではなぜ少ない資金で大きな金額を動かすことができるのでしょうか。
これはFX取引における決済方法が関係しています。
FX取引での決済方法は、差金決済という方法を採用しています。
差金決済は売買の際に発生した差額のみで決済をする方法です。
通常、10万円分の米ドルが欲しい場合は10万円で米ドルを購入します。
そしてその10万円分の米ドルの価値が11万円になった時に売却をしたとします。
この一連の流れの中では1万円の利益を手にするために元手として10万円が必ず必要になります。
しかしFX取引で採用されている差金決済では、この最初の10万円が必要ありません。
レバレッジ100倍で取引をしたとすると1,000円の証拠金があれば良いわけです。
1,000円で10万円分の米ドルを購入し11万円で売却し1万円の利益を手に入れることができます。
これがFX取引におけるレバレッジのシステムなのです。



信用取引と呼ばれるものの一種です。
日本国内におけるレバレッジ
海外FX業者ではFX取引におけるレバレッジは数百倍から数千倍などとても高いレバレッジをかけることが可能となっています。
しかしながら日本ではレバレッジの規制がかけられており取引に可能なレバレッジは25倍までと決められています。



日本は他の国と比べて厳しい規制がされているのね



日本ではFX取引で大きな損失を被った方が多数いたため、FX=ギャンブルというイメージがかなり色濃くつきました。
そういった印象を払拭する目的もあったようです。
その背景にはギャンブルのようなトレードをしてをしてしまうトレーダーたちを守るための措置というがあります。
現在の日本でのFXは全てのFX業者が金融庁への登録の必要があり、またトレーダーが預けている資金は信託銀行が管理する必要があります。
2010年にレバレッジの規制が始まり、トレーダーを保護するという名目のもとレバレッジが最大50倍までに義務付けられました。
その後次の年の2011年には25倍までの規制が引かれました。
今後も日本ではレバレッジ規制が検討されていて、さらに低いレバレッジでしか取引ができなくなる可能性があります。
ただし日本の国内のFX取引は追証が行われるため、証拠金以上に借金を背負う恐れがあります。
このことからもレバレッジ規制が引かれているからと行って国内のFX業者が安全かと言うとそういうわけではありません。



パソコンの前に座っていただけで多額の借金を背負うなんて考えただけで恐ろしいわ、、、
実際のトレードとレバレッジ
では実際にトレードする際のレバレッジとの関係について学んでいきましょう。
レバレッジのかけ方
初心者トレーダーの皆さんの中にはレバレッジのかけ方や、レバレッジの設定方法などを調べている方もいると思います。
例えばレバレッジを400倍にして取引したい、レバレッジを10倍で取引したい、どこに設定する項目があるのですかと言った質問をされている方もいます。
FX取引においてレバレッジのかける倍数を設定する項目はどこにもありません。
FX取引でレバレッジをかける場合は、証拠金と取引数量の関係で結果的に自動的にレバレッジが設定されるということになります。



FXのプラットフォームにレバレッジの倍数を設定できる項目があるわけではなく、これだけの証拠金がある中でこの取引数量でエントリーをするからつまりレバレッジはOO倍ということだね、となるのね
レバレッジの計算方法
上記のように自動的にレバレッジは決定されるわけですが、実際に今何倍のレバレッジで自分が取引をしているのかを知るには計算をする必要があります。
以下のような計算方法で算出します。
FX業者ごとに決められたレバレッジがありますから、そのレバレッジを超えるような取引数量でエントリーを進めることはできません。
損失にもてこの原理がかかる
少ない資金で大きな利益を上げることができるレバレッジの仕組みですが、当然損失にも同じ勢いでレバレッジがかかります。
ここがレバレッジ取引の一番の危険なポイントです。
先ほどの例を使ってみると、
1,000円で10万円分の米ドルを購入し11万円で売却し1万円の利益を手に入れることができるのがレバレッジの仕組みでした。
つまり1,000円で10万円分の米ドルを購入し9万円で売却した場合は元手1000円に対して1万円のマイナスとなってしまうわけです。
実際には海外FXでは追証がなく借金になることはありませんが、海外FX業者が設定している有効証拠金以下になると強制ロスカットとなってしまいます。
相場は常に波を描いていますからその後すぐに上がったとしてもその手前で下がってしまったら資金を全て失ってしまうのです。
もしレバレッジがかかっていなければ1000円では1000円の取引しかできませんから、上記と同じ相場の動きでしたら100円のマイナスで900円は手元に残るわけです。
しかしレバレッジをかけていればあっという間に資金を失うことも可能なわけです。
追証とは
追証は追加証拠金の略で、FX業者に対し証拠金の追加の入金が必要になるケースです。
いわば借金の状態になります。
ポジションを持っていて含み損が進み口座の残高がマイナスになってしまった場合に追証が発生します。
また証拠金維持率がFX業者の規定を下回ると証拠金維持率を保つために追証を求められることがあります。
その時点で追証できなければ強制ロスカットとなり、その後そのポジションが利益を得られるような動きになったとしてもポジションは解消されてしまいます。
レバレッジ取引のロスカットとは
レバレッジ取引でのXにおけるロスカットとは、取引のエントリーにおいて含み損がすすみ極端な資金の損失を防ぐためのシステムです。
ロスカットされると完全に0円になるFX業者もあれば、ある程度の資金を残してロスカットが発動するFX業者もあります。
このロスカットというシステムがないと資金を全額失ったり、取引を続けるための証拠金をFX業者に借金をしなければならなくなるケースもあります。
ロスカットが発動する条件は%で表されることが多いです。
証拠金が必要証拠金の何%終わったらロスカット発動といったように決められています。



ロスカットがあるのは借金を避けることができるのでありがたいシステムね



ロスカットが発動してしまうような状態になるような取引をそもそもしないことが大切です。
レバレッジ取引の証拠金とは
レバレッジ取引における証拠金とは、いわば担保のような扱いになります。
前述したように差金決済であるレバレッジ取引は資産の受け渡しがないため、口座に担保としての資金を預ける必要があるのです。
これが証拠金と呼ばれるものです。



保証金と呼ばれることもあります。
FX取引においては必要証拠金率というのが決められています。
これはFX業者によって設定は様々ですが、エントリーをしてる最中にこの必要証拠金率を下回ってしまうとロスカットになってしまいます。
有効証拠金とは
FX取引をしていると有効証拠金という言葉も出てきます。
必要証拠金率の算出の対象になるのはこの有効証拠金というものになります。
必要証拠金率の算出の対象になるのは口座に入っている残高ではなく、口座に入っている残高に現在ポジションを持っている場合はその含み損や含み益を加えて計算します。
その含み損や含み益を加えたものが有効証拠金です。
つまりポジション保有最中に勝っていれば有効証拠金も上がっていきますが、負けていれば有効証拠金はどんどん減っていきます。
そうして必要証拠金率を下回った段階でロスカットとなります。



FX業者によってロスカット率が100%のところもあれば50%のところもあるわね



FX業者を選ぶ際にロスカットに引っかかる証拠金維持率の設定を選択基準に入れるのも良いかもしれません。
レバレッジをかけた取引で勝つ方法は?
それでは実際にレバレッジをかけたFX取引ではどのように利益を増していけば良いのでしょうか。
レバレッジをかけた取引に関してはまず意識すべきことはリスクになるようなことを徹底的に排除していくことです。
レバレッジをかけた取引では一攫千金を狙えるような印象から初心者のトレーダーの方はつい根拠のない無茶な取引をしがちです。
スプレッドなどの関係から基本的にはマイナススタートのFX取引ですから特にリスクを減らすという点に関しては慎重になる必要があります。
そのようなリスクを徹底的に減らしていくことが結果的に利益を伸ばすことにつながります。
必要以上の資金を口座に入金しない
レバレッジ取引の特性として口座残高が多ければ多いほどかけることのできるレバレッジも上がって行ってしまいます。
そのためたくさんの資金を動かせるからと言って過剰な資金投入は危険です。



口座にお金が入っているとつい大きな取引数量で取引がしたくなってしまうわね
もし損失がかさんでしまったとしてもその損失をカバーするために自己資金を次々と投入するのはより一層傷口を広げる可能性があるため禁物です。
まずは口座に入金する額を限定し高すぎるレバレッジで取引ができないように物理的に制限してしまうことは重要です。
また同じような理由からレバレッジの取引で利益が乗った際も、その利益は口座から引き出してしまう方が安全です。
利益が増えればレバレッジも上がります。
初心者のうちはまずは安定して利益を増やすことに力を入れましょう。
自己資金を投入しなくてもきちんと技術が伴ってくればFXの口座の残高は自然に増えていくようになります。
取引数量を管理する
取引数量が上がれば当然レバレッジも高くなります。
そのためしっかりとした資金管理で取引数量を決定する必要があります。
例えば、口座残高に対して2%が損切りの位置の金額になるように取引数量を調整するなどの管理が必要となります。
自分の資金と合わせて適切な取引数量をその都度きちんと計算をするようにしましょう。
また、エントリーするポイントが優位性が高くいつもよりも伸びそうな感じがするという理由だけで取引数量を上げるのもやめましょう。
これは相場には絶対はありえないということが根拠となっています。
自分が自信を持って取り組める取引だったとしてもそこで急激に取引数量を上げることはの利益を一気に失う可能性があります。
これがいわゆるコツコツドカンと呼ばれる現象の一つです。
レバレッジの高すぎる口座を避ける
実際に現実的な取引とはかけ離れているような何千倍ものレバレッジがかけられる口座は一攫千金のギャンブルトレードになりがちです。
また大きなリスクとして、FX取引はパソコンのクリック1回で注文されてしまいます。
何らかのミスやちょっとした偶然でうっかりエントリーされてしまうこともあります。
その際に何千倍というレバレッジをかけてエントリーしてしまったら場合によってはものの数秒で資金が全て失われてしまうかもしれません。
口座を選択する際にも自身の資金と実際の取引を計算して、どれだけのレバレッジがあれば十分なのかきちんと把握するようにしましょう。
ギャンブルトレードをしない
一か八かのギャンブルトレードは絶対にしないようにしましょう。
ギャンブルトレードをした時に、そのトレードが勝ったか負けたかは重要ではなくどちらにせよ口座を破産させてしまうことはほぼ間違いありません。
そのトレードが負けた場合はもちろん、勝ってしまった場合もまた同じようなハイレバレッジのギャンブルトレードをしてしまうことになるため根拠のないギャンブルトレードは間違いなく破産に繋がります。
一番重要なのは、遊びだろうが捨て金だろうがギャンブルトレードは1回もしてはならないという点です。
ギャンブルトレードをすることは著しくFXの上達の妨げになります。
レバレッジ取引の一番の弊害は、ギャンブルとして扱われてしまうところにあります。
資金が口座開設の際の無料ボーナスだったとしてもこのようなギャンブルのトレードは絶対にしないようにしましょう。
どうしてもギャンブルのようなトレードをしてみたい時はデモトレードなどを利用し、たとえどんなに低い取引数量だとしてもリアルマネーでのギャンブルトレードはやめましょう。
利確の位置と損切りの位置をあらかじめ決めておく
ハイレバレッジの取引で口座が破産するのには理由があります。
それは損切りの位置を決めていないからです。



ついついなんとなくの損切り位置にしてしまったり、チャートを見てエントリー中に損切り位置をずらしてしまったりしてしまうわね
きちんと取引数量の管理を行い損切りの位置さえ決めていればハイレバレッジの取引であろうとそう簡単に口
座が破産することはありません。
初心者トレーダーにとってハイレバレッジ取引は思っている以上のスピードで金額が動きます。
目の前でいとも簡単に自分の資金が勢いよく増えたり減ったりすると冷静さは失われていきます。
そのため利確も損切りもまともな状態ではできなくなります。
初心者FXトレーダーがレバレッジの取引で勝つには、まずは機械的に損切りと利確が発動するようにすることが重要です。
もちろんその際にきちんとした根拠のある損切りの位置を設定しましょう。
ルールの徹底でハイレバレッジでも安全に稼げる
レバレッジをかけた取引は大変な危険を伴います。
特にFX取引はパソコンの前でとても地味に一人で行われます。
そのため大金を動かしているという実感が湧きづらく、あっという間に多額の資金を溶かしてしまうことも珍しくないのです。
しかし今回解説した通り適切な資金管理とルールの徹底をすることで高いレバレッジの取引でも無駄に自身の資金を失うようなことはできる限り減らすことができます。
FX取引においてレバレッジは必ずどのトレーダーもかけていますし、FX取引を行うにあたってレバレッジは絶対に切り離して考えることはできません。
FXで資金を失っていく人のほとんどは今回解説したようなレバレッジとの付き合い方を理解していない方がほとんどです。
しっかりとレバレッジに対する理解ができていれば、FX取引もレバレッジの取引も決してギャンブルではないということが理解できると思います。
初心者のトレーダーの方々はレバレッジ取引の際は自分の資金との兼ね合いをしっかり毎回計算することから心がけましょう。
この負けるというのはするという意味ではなく、勝ちと負けを繰り返し結果としてプラスに持っていくことが基本であるという点です。
この勝ちと負けを繰り返してる時にどこかのタイミングで連敗する時があります。
そういったタイミングが必ず訪れる以上ハイレバレッジで根拠のない設定をしていると必ず口座が破産するようになってしまうのです。
とにかく資金管理をしっかりと行うようにしましょう。