海外FXでの取引を始める際に、テクニカル分析におけるチャートの見方、ローソク足のパターン、ファンダメンタルズ分析における様々な経済に関する知識、それに関するアンテナなど様々なことを分析研究する必要があります。
それと同時にFX取引で使われる専門用語もきちんと意味を理解し正しく覚える必要があります。
ここではFX取引における”気配値”というワードについて初心者の方でも分かりやすく紹介をしていきたいと思います。
気配値とは
FX取引を始めるにあたって気配値という言葉を見かけると思います。
聞き慣れない言葉ですのでFXを始めたばかりの初心者の方にとってはとっつきにくく少し理解もしづらいため後回しにしてしまいがちな基本ワードの1つです。

けはいねと読みます。



けはいちではないのね
主に株式相場で使われる用語ではあるためFXのテクニカル分析などをしている時には実際に気配値という言葉について深く掘り下げることはあまりないかもしれません。
ですがFX取引においても気配値は絶対に無視して通ることはできません。
きちんとFXのエントリーに対して慎重に分析や研究を重ねた方ならば気配値の表示や理解が必要であるということにすでにお気づきになられているかもしれません。
FX取引と株取引では同じ用語でも多少性質の違う意味になることもあります。
FX取引における気配値表示も厳密には株式取引とは使われ方が違います。
気配値は外国為替市場で取引されている水準レートを指し、利用しているFX会社が提示したレートとなります。
気配ではあくまで参考レートとなり実際に取引できるレートとは近いものの差があります。



これらのことを踏まえた上で気配値というものが一体どういうものなのか詳しく調べていきましょう。
気配値の種類
FX取引における気配値は2つの種類があります。
これら2つのワードはX取引において頻繁に登場します。
併せてしっかりと理解しておきましょう。
売り気配値(Bid)
売りの注文に対して表示される価格
相場に参加しているトレーダーがショートのポジションを持った時に表示されるという意味です。
買い気配値(Ask)
買いの注文に対して提示される価格
相場に参加しているトレーダーがロングのポジションを持った時に表示される価格という意味です。
FX取引やプラットフォームでの表示では、通貨ペアの横に上記の2つが並んで表示されている形式がスタンダードです。
価格が上昇すると青い文字になり価格が下落すると赤い文字になるということを素早く繰り返して表示されていると思います。
MT4やMT5の場合は文字が灰色になっている場合は価格は過去15秒間に変化をしていないことを表します。



実際この表示はどういう時に使っていくべきものなのかしら



ただ表示させているだけでは邪魔になってしまいますね。
表示をさせる意味なども考えながら紹介していきましょう。
気配値の表示方法
FX取引における気配値はどのプラットフォームでも表示することが可能です。
ここではFX取引ツールプラットフォームの中でも一番利用者の多いMT4やMT5での気配値の表示の方法を紹介していきます。
気配値の表示方法(MT4)
MT4を起動し、上部にあるメニューの中から表示を選択します。
その表示の中にある気配値表示します。


MT4のチャートの左側に気配値が表示されます。
表示された気配値のウィンドウはドラッグすることで任意の場所に自由に移動することができます。
MT4の外に動かすこともできます。


気配値の表示方法(MT5)
MT5を起動し、上部にあるメニューの中から表示を選択します。
その表示の中にある気配値表示します。


MT5のチャートの左側に気配値が表示されます。
表示された気配値のウィンドウはドラッグすることで任意の場所に自由に移動することができます。
MT5の外に動かすこともできます。


気配値の表示方法(スマホアプリ版MT4・MT5)
スマートフォンのアプリで使用できるMT4やMT5でも気配での表示をすることができます。
スマートフォンのアプリを立ち上げ左下にある気配値のアイコンをタッチします。
そうすると気配値を表示することができます。
しかしながらスマートフォンアプリでの気配値に関してはあまり詳細な設定を行うことができません。



とても簡単に表示ができたわね



次は気配値のカスタマイズ方法について紹介していきます。
気配値表示のカスタマイズ方法
MT4やMT5では上記のように簡単に気配値を表示することができました。
他のプラットフォームでも気配値の表示に関しては難しい設定が必要な場合は極めて稀だと思われます。
次に表示した気配値をカスタマイズする方法を紹介していきたいと思います。
MT4やMT5では表示している気配値をさらに見やすく便利にカスタマイズすることが可能です。
MT4とMT5では気配値に設定できるカスタマイズ内容に大きく違いがあります。
これから紹介する気配値におけるカスタマイズの内容の違いを参考にして今後MT4で取引をするのかMT5で取引をしていくのかということを剪定する材料するのもいいかもしれません。
ただし基本的なカスタマイズ内容に関しては共通しています。
表示する気配値をカスタマイズする(MT4)
表示した気配値のウインドウの中にカーソルを置き、右クリックします。
表示された内容の中からカスタマイズしたい項目を選びます。


チャート表示
選択されている通貨ペアのチャートを表示します。
グレーアウトされている通貨ペアは表示することができません。
ティックチャート
選択している通貨ペアのティックチャートを表示します。
ティックチャートは気配値の通貨ペアリストの隣にタブで表示することが可能です。
板注文画面
板注文画面を表示します。
仕様
選択している通貨ペアの詳細な仕様を表示します。
非表示
現在選択されている気配値の通貨ペアを非表示にします。
全て非表示
現在表示されている気配値の通貨ペアを全て非表示にします。
全て表示
現在表示可能な気配値の通貨ペアを全て表示します。
通貨ペア
通貨ペアをエクスプローラー表示します。


セット
現在表示されている気配値のリストをセットとして保存することができます。
保存したリストは名前をつけることができていつでも同じように呼び出すことができます。
またいつでも削除することが可能です。
スプレッド
表示されている気配値にスプレッドを表示します。
高値/安値
現在表示されている気配値に高値と安値を表示します。
時間
現在表示されている気配値に時間を表示します。
自動整列
現在表示されている気配値での表示順を自動で整列するように設定をします。
グリッド
現在表示されている気配値でのグリッド表示するか表示しないかを選択します。
チェックが入っていれば表示となります。
気配値ポップアップ表示
気配値をポップアップで別表示します。
表示する気配値をカスタマイズする(MT5)
表示した気配値のウインドウの中にカーソルを置き、右クリックします。
表示された内容の中からカスタマイズしたい項目を選びます。


チャートウインドウ
選択されている通貨ペアのチャートを表示します。
通貨ペアを選択しドラッグアンドドロップでチャート側に移動するだけでも表示させることが可能です。
グレーアウトされている通貨ペアは表示することができません。
ティックチャート
選択している通貨ペアのティックチャートを表示します。
ティックチャートは気配値の通貨ペアリストの隣にタブで表示することが可能です。
板注文画面
板注文画面を表示します。
仕様
選択している通貨ペアの詳細な仕様を表示します。
小数桁ストップレベル契約サイズ証拠金通貨利益計算モード証拠金計算モード初期証拠金証拠金ヘッジ証拠金率取引執行GTCモード最小取引数量最大取引数量終了ステップスワップタイプ買い
ポップアッププライス
気配値をポップアップで別表示します。
非表示
現在選択されている気配値の通貨ペアを非表示にします。
全て非表示
現在表示されている気配値の通貨ペアを全て非表示にします。
全て表示
現在表示可能な気配値の通貨ペアを全て表示します。
銘柄一覧
通貨ペアをエクスプローラー表示します。


セット
現在表示されている気配値のリストをセットとして保存することができます。
保存したリストは名前をつけることができていつでも同じように呼び出すことができます。
またいつでも削除することが可能です。
ソート
表示されている気配値の並べ替えを行うことができます。
銘柄、産業、セクター、利益、損失、約定数量の中から選ぶことができます。
システムカラーを使用
設定されているシステムカラーと同じカラー表記を利用します。
ミリ秒を表示する
時間にさらに細かいミリ秒を表示することができます。
自動削除
現在表示されている気配値の中で使用されないものを自動削除します。
自動整列
現在表示されている気配値での表示順を自動で整列するように設定をします。
グリッド
現在表示されている気配値でのグリッド表示するか表示しないかを選択します。
チェックが入っていれば表示となります。
表示列
気配値で表示する内容を選ぶことができます。
以下の中から選択することができます。
- 買気配(Bid) — 買値
- 買高値 — 日中の買気配の最高値
- 買安値 — 日中の買気配の最安値
- 売気配(Ask) — 売値
- 売高値 — 日中の売気配の最高値
- 売安値 — 日中の買気配の最安値
- 直近価格 — 直近の約定実行価格
- 直近高値 — 日中の約定実行の最高価格
- 直近安値 — 日中の約定実行の最安価格
- 数量 — 直近の約定実行の数量
- 最大出来高 — 日中に実行された約定の最高量
- 最小出来高 — 日中に実行された約定の最高量<segment 12040>V. — 日中に実行された約定の最低量
- 約定 — 現在のセッションで実行された約定の数
- 約定数量 — 現在のセッションで実行された約定の量
- 売上高 — 現在のセッションでの銘柄の売上高
- 取組高 — まだ解決されていない有効な契約(先物、オプション)の総量
- 買い注文 —買いリクエストの総数
- 買い数量 —買い注文の総数
- 売り注文 — 売りリクエストの総数
- 売り数量 — 売り注文の総数
- 始値 — 直近セッションの始値
- 終値 — 直近セッションの終値
- 加重平均価格 — セッションの加重平均価格
- 精算価格 — 以前のセッションの決済(クリア)価格
- 日次変動 — 商品の最終価格と前回のセッションの終値の差を割合で示します。計算式は銘柄チャートモードに依存します。
Last価格: ((Last – セッション終了時のLast)/セッション終了時のLast)*100
Bid価格: ((Bid – セッション終了時のBid)/セッション終了時のBid)*100
先物シンボルの場合、清算価格がブローカーによって提供される場合、セッション終値の代わりに清算価格が使用されます(ゼロ以外):
Last価格: ((Last – 清算価格)/清算価格)*100
Bid価格: ((Bid – 清算価格)/清算価格)*100
- デルタ — デルタデルタ、シータ、ガンマ、ベガ、ポー、オメガなどのギリシャ文字は、行使価格、ボラティリティなどのさまざまなパラメーターの変化に対するオプション価格の感度を表す数量です。
- セータ — シータオプション
- ガンマ — ガンマオプション
- ベガ — ベガオプション
- ロー — ポーオプション
- オメガ — オメガオプション
- 感度 — オプションの感度。オプションの価格が1ポイント変化するように、オプションの原資産の価格が何ポイント変化するかを示します。



MT5ではかなり多くの選択項目があるのね



何でもかんでも表示しすぎてしまうと分析に支障が出ます。
自分が本当に理解できていて必要だと思う項目のみを表示するようにしましょう。
気配値ウィンドウの希望の通貨ペアを”クリックすると注文画面にショートカットできます。
また気配値ウィンドウの希望の通貨ペアをチャートにドラッグするとその通貨ペアの新規チャートを作成することができます。
気配値の使用方法
気配値はFX取引においてどういう場合に使えば良いのか説明をしていきます。
上記のことからFX取引の際にチャートを見てエントリーをしていると実際に約定する価格とエントリーや決済ボタンを押した価格などが乖離してしまいます。
そのため気配値を常に表示しておいて、BidとAskのレートを常に実際の数字として認識し確認していく作業が必要となるわけです。



分かりやすく言うとBidは売りの際の価格、Askは買いの際の価格と認識しておけば問題ありません。



その覚え方で損切りや決済時の価格も注目しておけばいいのね
他にも気配値ウィンドウを表示しておくことは自分が狙っている価格帯にその通貨ペアが達するかどうかを常に表示しながら監視したりできます。
あるいは全ての通貨ペアの一覧を表示しスプレッドのできるだけ狭い通貨ペアのみを選んで取引するなどといった使い方も可能です。
変動スプレッド型の口座を利用してる場合はできるだけスプレッドの狭いタイミングでを仕掛けたいと思います。
気配値の表示にスプレッド表示しておけば常に変動するスプレッドを目視で確認し続けることができます。
指標発表時などスプレッドが大きく開く危険な場面でも役に立ちます。
気配値まとめ
FX取引において特にテクニカル分析の際はチャートの情報のみを頼りに取引を行うことが多いです。
しかし先述の通り実際のポジションのエントリーの際には場合によっては実際の約定との間に大きな乖離が生ずる場合があります。
そういった時にこの気配値というものの存在を理解し頭に入れておくと、より一層エントリーや決済の制度を上げることが可能となります。
MT4やMT5の気配値ウィンドウでは気配でのみならず様々な項目を表示させることができます。
簡潔に複数の通貨ペアの現在状況把握するのにも役立ちしますし、自分自身で最適なカスタマイズを行い有効に活用することができるようになってくると分析もしやすくなってくるのではないでしょうか
できる限り正確な取引を行うためにも初心者のうちから気配値の表示と理解は学んでおいた方が良いでしょう。
このようにFX取引においてひとつひとつの用語を正しく理解し正しく使用することによりご自身の中でのFXに対する理解の解像度が格段に上がると思います。